原因特定、まだまだ遠く…
阪神大震災をはるかに上回る加速度が記録され、直下型地震の怖さをみせつけた新潟県中越地震。では、この揺れを引き起こした活断層はどこに…。大学や学会などの多くのチームが、地震直後から被災地で調査を進めているが、“犯人”はまだ特定されていない。
「地表に顔を出すことなく、今後も繰り返し悪さをする可能性がある」
この地域の活断層について、東大地震研究所の佐藤比呂志教授はこう評する。調査をはばんでいるのが、新潟平野南部を覆う暑さ6キロもの分厚い堆積層だ。
起伏にとんだ日本列島の中でも特徴的な地形が、今回の震源域一帯にはある。細長く盛り上がった丘陵が波板のように連なる「活褶曲(しゅうきょく)帯」がそれだ。衛生写真ではナマコが数匹並んだように見えるこの一帯の下で、何が起きたのだろうか。
佐藤教授によると、ここでは2千万~千7百万年前、地球を殻のように覆うプレート(岩板)が東西方向から引っ張られた影響で巨大なくぼ地ができた。そこに積もったのが現在の堆積層。
5百万~3百万年前になると、今度は岩板が逆に動き、堆積層は両側から押し縮められて活褶曲となった。いわば、地表にしわがよるこの過程で、堆積層やその下の岩板にできた無数の“傷”が活断層だ。
「堆積層がこれだけ厚いと、断層が動いても吸収されてしまう。地表に断層が現れなくても不思議はない」と佐藤教授。24日に現地調査をしたが、活断層が動いた証拠は発見できなかった。
別のグループが、震源近くの小平尾(おびらお)断層で隆起などを見つけたが、ごくかすかなもので、地震断層とはまだ断定されていない。
堆積層は地球の歴史からみればまだ若く、完全な岩にはなっていない軟弱な地盤。規模が小さな地震でも揺れを増幅しやすいとされる。
地震だけではない。堆積層は手でつぶせるほどの軟らかさで、水分も含みやすい。産業技術総合研究所活断層研究センターの粟田康夫・研究チーム長は「被害拡大を招いた地滑り多発の大きな原因にもなっている」。
余震の発生分布からは、新潟県中越地震の影響で他の断層帯が活動を始める兆候はみられない。ただ、佐藤教授は「数十年のスケールで見れば、関連してくる可能性はある。従来の評価法では、今回のような地震を生む活断層の特定は難しい。新しい方法が必要になるかもしれない」と指摘している。。。
結局はこれでは予知ということにはならないみたいで、やはり揺れなければわからない?それでは遅過ぎるんだけどなぁ。。。一体どれだけの犠牲を払えば災害予防に繋がるのだろう。。。余りにも計り知れない数値になりそうな。
被災者の安全を第一に 震災時の首長3氏提言
発生から4日目の26日、新潟中越地震の被災地では、避難が十万人を超え、各自治体は被害の把握や復旧に向けた準備などに追われた。1995年の阪神大震災当時、被災地の自治体トップだった三氏に非常時の行政のあり方を聞いた。
「限られた情報と人員の中で多くの施策が迫られるが、被災者の安全確保を最優先課題として行政機能を集中させる必要がある。その場合、情報開示と確信を持って政策を進める姿勢が重要だ」と話すのは、前兵庫県知事の貝原俊民氏。
県などによる住宅準備が間に合わなければ、被災者が自分で住宅を確保するための現金を支給するべきだと提言。「行政の役割は、やがて自立する被災者の主体的努力をバックアップするものと考えなければならない」
芦屋市長だった北村春江氏は当時、避難所を回り、被災者との対話を心掛けた。
「『全国から支援が届き、行政は復旧に全力をつづけている。だからあなた方は孤立していない』と見える形で“安心”を与えることが行政の大きな役割。被災者の不安やいら立ちを受け止める役目も果たさなければならない。大変だが頑張ってほしい」と期待する。
西宮市長を勤めて居た馬場順三氏は「物資やボランティアの配置を効率的に行うため、幹部のこまめな情報交換が重要。今後、職員自身の健康管理も大きな問題になる。特定の職員に負担を集中させないためにも絶対必要だ」と話している。。。
阪神大震災をはるかに上回る加速度が記録され、直下型地震の怖さをみせつけた新潟県中越地震。では、この揺れを引き起こした活断層はどこに…。大学や学会などの多くのチームが、地震直後から被災地で調査を進めているが、“犯人”はまだ特定されていない。
「地表に顔を出すことなく、今後も繰り返し悪さをする可能性がある」
この地域の活断層について、東大地震研究所の佐藤比呂志教授はこう評する。調査をはばんでいるのが、新潟平野南部を覆う暑さ6キロもの分厚い堆積層だ。
起伏にとんだ日本列島の中でも特徴的な地形が、今回の震源域一帯にはある。細長く盛り上がった丘陵が波板のように連なる「活褶曲(しゅうきょく)帯」がそれだ。衛生写真ではナマコが数匹並んだように見えるこの一帯の下で、何が起きたのだろうか。
佐藤教授によると、ここでは2千万~千7百万年前、地球を殻のように覆うプレート(岩板)が東西方向から引っ張られた影響で巨大なくぼ地ができた。そこに積もったのが現在の堆積層。
5百万~3百万年前になると、今度は岩板が逆に動き、堆積層は両側から押し縮められて活褶曲となった。いわば、地表にしわがよるこの過程で、堆積層やその下の岩板にできた無数の“傷”が活断層だ。
「堆積層がこれだけ厚いと、断層が動いても吸収されてしまう。地表に断層が現れなくても不思議はない」と佐藤教授。24日に現地調査をしたが、活断層が動いた証拠は発見できなかった。
別のグループが、震源近くの小平尾(おびらお)断層で隆起などを見つけたが、ごくかすかなもので、地震断層とはまだ断定されていない。
堆積層は地球の歴史からみればまだ若く、完全な岩にはなっていない軟弱な地盤。規模が小さな地震でも揺れを増幅しやすいとされる。
地震だけではない。堆積層は手でつぶせるほどの軟らかさで、水分も含みやすい。産業技術総合研究所活断層研究センターの粟田康夫・研究チーム長は「被害拡大を招いた地滑り多発の大きな原因にもなっている」。
余震の発生分布からは、新潟県中越地震の影響で他の断層帯が活動を始める兆候はみられない。ただ、佐藤教授は「数十年のスケールで見れば、関連してくる可能性はある。従来の評価法では、今回のような地震を生む活断層の特定は難しい。新しい方法が必要になるかもしれない」と指摘している。。。
結局はこれでは予知ということにはならないみたいで、やはり揺れなければわからない?それでは遅過ぎるんだけどなぁ。。。一体どれだけの犠牲を払えば災害予防に繋がるのだろう。。。余りにも計り知れない数値になりそうな。
被災者の安全を第一に 震災時の首長3氏提言
発生から4日目の26日、新潟中越地震の被災地では、避難が十万人を超え、各自治体は被害の把握や復旧に向けた準備などに追われた。1995年の阪神大震災当時、被災地の自治体トップだった三氏に非常時の行政のあり方を聞いた。
「限られた情報と人員の中で多くの施策が迫られるが、被災者の安全確保を最優先課題として行政機能を集中させる必要がある。その場合、情報開示と確信を持って政策を進める姿勢が重要だ」と話すのは、前兵庫県知事の貝原俊民氏。
県などによる住宅準備が間に合わなければ、被災者が自分で住宅を確保するための現金を支給するべきだと提言。「行政の役割は、やがて自立する被災者の主体的努力をバックアップするものと考えなければならない」
芦屋市長だった北村春江氏は当時、避難所を回り、被災者との対話を心掛けた。
「『全国から支援が届き、行政は復旧に全力をつづけている。だからあなた方は孤立していない』と見える形で“安心”を与えることが行政の大きな役割。被災者の不安やいら立ちを受け止める役目も果たさなければならない。大変だが頑張ってほしい」と期待する。
西宮市長を勤めて居た馬場順三氏は「物資やボランティアの配置を効率的に行うため、幹部のこまめな情報交換が重要。今後、職員自身の健康管理も大きな問題になる。特定の職員に負担を集中させないためにも絶対必要だ」と話している。。。