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 と題して述べられたこんな記事を見つけましたので。。。

 二学期は、ロシア南部の学校占拠のショッキングなニュースから始まった。

 9月5日付一面に「犠牲322人半数が子供」と報じられた。巨大な政治的な暴力、戦争やテロでは子どもたちなど弱い立場の者が多数犠牲になる。

 虐待や体罰など個人間の暴力でも、多くの子どもたちが被害を受けている。3日付「埼玉で1歳の女児が叔父に殴られ重体」、4日付「岡山で小3女児殺される」、6日付「東京で13歳長男を母親が殺害」、14日付「栃木で連れ去り2児不明」と、9月の二週間に報道されただけで、これだけの子どもが犠牲になった。日本では7.4日に一人の子どもが虐待に遭って死んでいるという。

 2002年度厚生労働省の調査では、被害児童は3~12歳が65%、虐待する側は父母が86%、虐待の内容は身体的虐待46%、ネグレクト38%。このような深刻な現実を踏まえ、被害と加害の両面から「子どもの命を守る」ことについて考えてみたい。

 私は7年前、子どもが暴力から自分を守るための教育プログラム「CAP」に驚きをもって出会った。「してはいけません」の危険防止教育から「自分というかけがえのない存在の大切さを知り、自分の内にある力を使って暴力から自分を守る」教育へ。学校でも毎年、五年生に実施してきた。

 いざというとき、自分を守る「『いやだ』と言う」「特別な大声を出す」「逃げる」「安全な距離」「相談する」などを実際にやりながら身につける。ワークショップを体験した子どもたちは、いろんな問題に出会ったとき、この体験を共通の基準にして物事を解決するようになってきた。

 「虐待する側」の問題も深刻だ。身近なところでは6月1日付「洲本市で十ヶ月男児暴行死」の記事に衝撃を受けた。「泣き止まないのでとっさに突き飛ばしたら床に倒れ、頭を打ち付けた」と、発作的に暴行したものと報じられた。

 生活の不安定や心のいらだち、「理想の子育て」に縛られ、自分は駄目な親だ、値打ちのない存在だと孤立感を深め、感情の爆発を抑えきれなかった結果だと思う。罪悪感に苦しみながら、子どもへの暴力がやめられない親たちの悲鳴が聞こえてくる。

 6月と8月に他紙で「虐待する親たちの回復支援プログラム」の特集記事を見た。「怒りの裏側にある心の傷に気付いて、ありのままの自分を受け入れることで、だれもが潜在的に持つ回復力を引き出す」というもので、今秋、関西の6ヶ所で開講されるそうだ。

 貴紙でも、事件報道とともに「子どもの命を守る」取り組みを、より積極的に取り上げてもらいたい。。。

 神戸新聞を読んで ということで、東浦町立学習小学校長 小南広之氏が寄せられたのをそのまま引用させて頂きました。

 そして、別の欄には、キレる子と接する心掛け 問題の構造と援助法を解説 東京学芸大助教授が出版 現場教師の具体策も などと、『怒りをコントロールできない子の理解と援助』の本が紹介されていましたので、そのまま引用させて頂きます。

 突然キレて、怒りを爆発させる小学生をどのように理解し、いかに援助すればよいのだろうか。教師と一緒にこどもの心理療法に取り組んでいる大河原美以・東京学芸大助教授が、この問題に対する一つの答えとして、金子書房から出版した。

 わかりやすい言葉で問題の構造を解説するとともに、親や教師がキレる子に接するときに心掛けることを具体的にアドバイスしている。

 著者は、少年による殺人事件の事例研究をまとめた『重大少年事件の実証的研究」(司法協会発行)の研究メンバー。重罪を犯した少年と、相談に訪れる子どもたちの問題の本質は変わりがないことに驚き、その経験から「小学生なら、『大人(親や教師)の努力』ですくうことができる」と感じたという。

 「理想的」な子どもを育てようとしたとき、他者や親の指示通りに感情を抑えることができる「よい子」であることを願うのではないか、と著者は問う。他者からよい子に見えるように努力すれば、親は子をしかりすぎるし、親にとってよい子であることを強く願えば、子を逆にしかれないケースが少なくない。

 しかし、子が親の願望をかなえようと、幼いうちから「よい子」で有り過ぎると、思春期になってさまざまな心の問題が生じてくることはよく知られていことだろう。

 問題の解決には、怒ったり、泣いたり、などのネガティブな感情をきちんと大人に受け止めてもらって育つことが必要、と大河原助教授は説く。子どもをしかることだけを繰り返していると、ネガティブな感情は社会化されず、えたいの知れない危険なものとして成長してしまう、と指摘する。

 「『先生がしからないから悪いんだよ』と責められたら?」「『ひいき!ひいき!』と言われたら?」「『心の病気なの?』にどう応える?」など具体的な場面に対し、小学校教師が自らの経験を率直に述べ合う「場面別・クラス担任の対応の工夫」もある。配慮が必要な子どもがクラスにたくさんいる時代、その対応に疲れ果てている教師のために書かれたこの章は、座談会形式のヒント集の趣だ。。。