昨日付け地元紙のくらし欄でこんなタイトルを見つけてしまった。しかも、『不妊原因 半分は男性』なる文字も。そのまま引用させていただきます。
 
 『日本では、子どもを欲しいと希望する夫婦の10組に1組が不妊に悩んでいるとされる。少子化問題が深刻化する中、不妊や不妊治療に対する社会的な関心は高まっているが、不妊の原因のほぼ半分が男性側にあることは意外に知られていない。「不妊は女性の問題」という誤った認識は、女性側に過度の精神的、具体的負担を強いるばかりでなく、男性不妊の治療機会を逃すことにもつながりかねない。
 
 世界保健機関(WHO)によれば、不妊の原因が女性だけにあるケースは41%、男性だけは24%、男女双方にあるのは24%。つまり、全体の48%は男性側にも何らかの原因が存在する。

 ところが、製薬企業のメルクセローノが今年6月、25~44歳の不妊に悩む既婚の男女計約千人を対象に実施した意識調査では、このことを正しく理解している人は、男女ともたったの三割にすぎなかった。

 調査結果によると、男性に原因がある割合を「40~50%」と正しく応えた人は男性の30%、女性の34%。一方、男性も女性も4人に1人が「5%未満」「5~10%」という、実際とかけ離れた数字を回答した。

 夫婦の温度差

 不妊検査を受けたことがあるかという質問には、男性の52%、女性の42%が「ない」と応えた。

 受けない理由を複数回答で聞くと、男性は「忙しくて時間がない」が39%で最も多く、「結果が怖い」(30%)、「どこで受けられるか分からない」(23%)と続いた。女性は、「費用がかかる」(30%)が多かった。

 不妊体験者を支援するNPO法人「Fine」の松本亜樹子代表は「背景には、検査や治療に関する正しい情報や理解の不足がある。間違った情報は独り歩きして、不安や恐怖心を生む。当事者は通院を先延ばしにして、年齢が高くなってから後悔する」と話す。

 特に男性については、以前に比べれば検査や治療に前向きになってきてはいるものの、まだまだ積極性に欠け、夫婦間の不妊治療に対する温度差や亀裂を生じる原因になっていると指摘する。

 多様な治療法

 荻窪病院泌尿器科の大橋正和部長によると、男性不妊の原因は多いが、大ざっぱに?精子の通り道が詰まっている閉塞性無精子症?精巣の精子を作る能力が低い非閉塞性無精子症?精子が少ない乏精子?精子の運動性がない精子無力症ーなどに分けられる。同病院では、不妊を訴えて受診した男性の10人中3人が、閉塞性または非閉塞性の無精子症だった。

 「最終的に子どもを得られるかどうかは別の問題だが、治療法は80~90%のケースに提示できる」と大橋部長。

 例えば、無精子症に対しては、精巣の組織内に存在する精子を見つけて採取し、顕微鏡を使って卵子に注入、受精する。脳の視床下部や下垂体の機能低下で第二次性徴や精子形成に必要なホルモンがうまく分泌されない患者には、遺伝子組み換え技術で合成したホルモン製剤を投与する。

 治療方法はいろいろある。男性もまずは検査を受け、不妊と正面から向き合うことが大切だ。』

 遺伝子組み換え技術がこんなところにも応用されているとは驚いた。既に子宮は摘出してしまったし、卵巣が一個。これでは産むことなんて不可能。今更何を。という感じだけれど、若い世代のご夫婦には是非とも検査を受けて欲しい。って、勝手過ぎるお願いなのかなぁ。